Reality Bitesが映し出す”ジェネレーションX”
写真左から
ゲイを告白しながらも自分の生き方について考えるサミー
大学を総代で卒業しテレビ局にアシスタントとして就職したリレイナ
GAPの店舗で働き自由奔放な恋愛に生きるヴィッキー
世間に冷めた皮肉屋のバンドマンのトロイ
ジェネレーションXと呼ばれる世代に生きる4人の姿を映し出した映画。
監督はベン・スティラーでこの映画が初監督作品になる。
アメリカで言われているジェネレーションXとは
若干の解釈の違いはあれど
日本で言う『しらけ世代』にあたり、
1960〜1970年代に生まれた世代を指すようで
幼少期はベトナム戦争やキューバ危機の中で過ごし、
戦争の終結やヒッピー運動の衰退とともに10代を過ごす。
その後、ダウンサイジングなどの動きより就職難の壁にもぶち当たってしまう。
主人公のリレイナの冒頭の卒業式の総代スピーチが彼らの生きる世界を物語っている。
「現在の私たちはどう生きるべきか。受け継いだ重荷をどうすべきか。
卒業生の皆さん、答えはいたって簡単です。その答えは、答えは...分かりません。。」
これからをどう生きるか、どう生きたいのか、今の自分は何者なのか。
未来への想像と現在の自分の姿と過去の記憶。
霧の中にいるようなぼやけた視界から抜け出せないような感覚。
学生から社会人になっただけの大きいようで小さな変化。
人生の速度に自分がついて行けてないような、というよりかは
果たしてついて行くことが正しいのかという疑問。
そんなモヤモヤとした渾然とした心境は今の若者にも通ずる部分がある気がする。
顕著に表れているのがジェネレーションXとして描かれているけれど
いつの時代の若者もそうなのかもしれない。
ギャビーの店長昇格を祝う夜に4人で買い出しに行ったガソリンスタンド。
そこで流れていたThe NackのMY Sharonaに思わず踊り出すシーンは
学生に戻ったように無邪気で一心に踊りまくるのだけど
彼らが厳しい現実(Reality Bites)を忘れてはしゃいでいるのがまた印象的。
リレイナは些細なことから仕事をクビになってしまうのだけれど、
その後知り合うマイケル(ベン・スティラー)との恋と
元々両思いなのになかなか距離が縮まらないトロイ(イーサン・ホーク)との恋も
どちらかといえばただの恋愛模様というよりかは
その中でのトロイの考え方やセリフがスッと心に入ってきたのを覚える。
トロイは頭はかなり良いのに
地位や名誉に執着がなく、今自分が生きる世間に対して
冷めきったひねくれ者。アルバイトも12回クビになる始末。
彼の言うセリフは至ってシンプルで純粋でまっすぐ、
そして嘘がない。
人は大人になるにつれて嘘をつくことが増えていく。
1日に何回嘘をつくのだろう?
きっと数え始めたらキリがないほどに。
嘘をつかないで生きられるほど世間は甘くないというのが一般論なのね。きっと。
真実だけを追い求めたらこの世の中は大変なことになるだろうし
嘘をつくことが悪いことだとも思わない。
でも「嘘」という本来あるはずのない存在を作りだすことの重さを人は忘れがちだ。
しかし、その重さをトロイはわかっているから彼の言葉はいつも真実なんだ。
そして時にその言葉は人を傷つけたり、癒したりする。
「This is all we need, a couple of smokes, a cup of coffee and little bit of conversation.
You and me and five bucks.」
トロイがリレイナに言った言葉。意味はぜひ自身で翻訳してみてほしい。
リレイナの両親が離婚しそれぞれ再婚している場面も
みんなでハッパ(麻薬)吸っている場面も
ヴィッキーがHIV感染の検査に行く場面も
サミーのゲイである事への告白や思いを話す場面も
全てがこのジェネレーションXの世代で起きていた時代背景にまつわること。
もちろん恋愛映画としても好き。
この時のリレイナ役のウィナノ・ライダーは本気でかわいいし
トロイ役のイーサン・ホークもあの雰囲気とルックスはイケてると思うから。
それにプラスして昔の時代に起きたことへの興味も持つことで
多くの歴史を知り今を生きる自分たちへの何かに生かせれば良いと思う。
U2のAll I want is you
Lisa LoebのStay
サントラもおすすめ♪
ではでは‼︎このへんで
Have a nice day!!
ranran
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